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宇宙戦艦ヤマト2199 出渕裕総監督より新着コメントが到着!!

2015.05.08

 『宇宙戦艦ヤマト2199』は、地球を飛び立った宇宙戦艦ヤマトが、惑星イスカンダルまで行って帰ってくるまでの旅の物語です。今回の『星巡る方舟』は、その帰路、イスカンダルを旅立ってからデスラーと戦うまでの間、話数で言えば第24話と25話の間にヤマトが遭遇したであろうエピソードとして描きました。
 そこで何ができるのかを考えた時、テレビシリーズでは描ききれなかった「世代の継承」や「異民族の相互理解」といったテーマを、ひとつのエピソードとしてまとめようと決めました。
 「世代の継承」というテーマを背負っているのは、桐生美影というヒロインです。そして「異民族の相互理解」というテーマにおいて重要な役割を果たすのは、ガミラス人のバーガーです。ふたりとも、テレビシリーズの時からこの映画出演に向けた準備を行い、連携を図りました。また、古代は、今回の映画で初めて、旧作でいう「艦長代理」的な役割を果たしています。
 1本の映画としては舞台となる背景を次々に変え、常に飽きさせない構成を意識しました。特に惑星シャンブロウのビジュアルは「なんだこれは」という驚きに満ちたものになっていると思います。
 テレビシリーズの劇場版で、その1エピソードを拡大して映画にした例というのは、他に思い当たりません。今回は、1本の映画として成立させると同時に、完結したテレビシリーズを更に補完する内容にもなっているという、すごくアクロバティックな挑戦をしています。
 1本の映画として成立させるために、ヤマトの出撃を別の視点から描いたプロローグ、及び帰還時を地球側から描いたエピローグをつけました。その部分に、『さらば宇宙戦艦ヤマト』の斉藤始が登場し、重要な役目を果たしているのも、ファンにとっては嬉しいのではないでしょうか。彼の相手をするのが土方で、「背中で語る男」という実に渋い魅力を見せています。テレビシリーズの最終回、土方と藤堂長官がスクリーンに映るシーンでは、彼らの後ろに斉藤が怖い顔で立っているのだと思うと、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
 今回Blu-ray&DVD化にあたり、作画などできる限りのリテイクを行うことで、さらなるクオリティアップを目指しました。劇場でご覧になった方も、初めてご覧になる方も、満足できる映像になっていると思います。